素材について大まかに考えてみたい。
自然(天然)素材に対して人工的な化学素材、どちらが良いのか白黒をつける気など毛頭ない。
はたして今の時代、木で造る家に釘や接着剤、化学建材を一切使っていない家があるだろうか、無添加、無農薬の食品だけで生きている人はどれ程いるだろうか・・
天然素材だけで化学繊維に一切頼らない衣服で身を守れているのだろうか・・
利便性、経済性、環境保全の観点とそれぞれの角度で見れば、どんな物にも理由は存在する。かといって「清濁併せのむ」ともニュアンスがまた違うような気もする。
人が暮らしてゆくうえで、環境、経済活動、機能や使いやすさ、この3つのうちのどれか一つだけが勝っていてもいけない、それぞれの利が少しずつあって、それぞれが相互に作用して良い循環を生み出すことが理想的な着地点ではないだろうか。
何も難しく考える必要はない、何が正しいかではなく、そこに何が合っているのかを見極めてゆきたい。
そして何よりも忘れてはいけないことは、いつまでも愛着を持てる素材であることだ。